連載 Go to the people——バングラデシュと共に歩んだ私の国際保健50年
第三十三編
石川 信克
1,2
1公益財団法人結核予防会
2結核予防会結核研究所
pp.244-249
発行日 2026年3月15日
Published Date 2026/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.036851870900030244
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ミャンマー連邦共和国コミュニティーDOTSの導入
ミャンマーは、他のインドシナ半島諸国と同様、結核がマラリア、エイズとともに従来から公衆衛生上の大きな課題である。世界保健機関(World Health Organization: WHO)が推定する結核問題が大きい22(当時。現在は30)の結核高負担国(TB high burden countries)の一つとされてきた。日本からミャンマーの結核対策への支援や協力は、1960年代より、WHO、国際協力機構(Japan International Cooperation Agency: JICA)(その前身の海外技術協力事業団〔OTCA〕)、結核予防会などを通して、さまざまな形で行われてきた。1990年代後半よりWHOのDOTS(directly observed treatment, short course)戦略に沿った支援としては、JICAのマラリア・結核・エイズに対する「主要感染症対策プロジェクト(2005〜2015年)」の一環として行われ、同国の結核対策の仕組みや人材の育成、検査部門の強化、および全国の結核有病率調査などが行われた。そのプロジェクト終了後は、結核予防会が民間支援として小規模なプロジェクトを継続している。JICAプロジェクト前期の結核有病率調査では、初めて科学的な方法で結核の疫学的実態が明らかにされ、それまでの推定値より2.5倍も多い患者がいること、地域には多くの未発見患者がいることが示された。その改善のため私は、保健ボランティアによるコミュニティーDOTS進展に携わったので、その経験を述べてみよう。

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