特集 Withコロナ時代に求められる公衆衛生人材
Editorial—今月号の特集について
安村 誠司
1
1福島県立医科大学公衆衛生学講座
pp.857
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401210124
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公衆衛生分野における人材育成の必要性は古くて新しい問題です。公衆衛生人材は、数年前からの新型コロナウイルス感染症の流行により、その必要性はさらに高まってきました。保健所における業務の増大に伴う専門職の不足はメディアを通じて、共有されました。2023年5月8日の新型コロナウイルス感染症の感染症法第5類への移行に伴い、Withコロナと言える状況になりました。ポストコロナという表現もありますが、新型コロナウイルス感染症が根絶されたわけではなく、一定程度の感染は今後も発生することが予想されており、Withコロナ時代になったとすることが適切ではないかと考えます。このように感染症と共存せざるを得ない時代における公衆衛生人材の育成の課題は極めて時宜を得た企画であると考えます。
本特集では、さまざまな立場で、人材育成に関わっている研究者、実践家から、人材育成の現状と課題について情報提供いただきました。職種の視点(「多職種職場の人材育成」、「公衆衛生看護の人材育成」、「公衆衛生医師の確保と育成」、「社会医学系専門医制度の歩みとこれからの健康危機管理」)、教育の視点(「COVID-19と公衆衛生専門職大学院」)、研究の視点(「厚労省科学研究における調査から」)、健康危機管理の視点(「健康危機管理を通じて考える公衆衛生人材」、「平時、緊急時の人材育成の体制づくり」)からの報告はいずれも有益な内容です。
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