特集 シリーズ 公衆衛生と感染症—感染症の患者に対する医療体制の課題と展望
Editorial—今月号の特集について
高鳥毛 敏雄
1
1関西大学社会安全学部
pp.3
発行日 2023年1月15日
Published Date 2023/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209967
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「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(以下、感染症法)は、前文に次のような文章が置かれています(一部抜粋)。
「(……)医学医療の進歩や衛生水準の著しい向上により、多くの感染症が克服されてきたが、新たな感染症の出現や既知の感染症の再興により、また、国際交流の進展等に伴い、感染症は、新たな形で、今なお人類に脅威を与えている。一方、我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。このような感染症をめぐる状況の変化や感染症の患者等が置かれてきた状況を踏まえ、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応することが求められている。ここに、このような視点に立って、これまでの感染症の予防に関する施策を抜本的に見直し、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する総合的な施策の推進を図るため、この法律を制定する」
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