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2020年1月に国内で初めて確認された新型コロナウイルス(以下、SARS-CoV-2)は、その後変異を繰り返し、3年後の現在、流行の中心はオミクロンである。新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の国内感染例は、2023年4月9日現在、3,352万3,927人(うち、23,974人は空港・海港検疫例)で、74,096人の死亡が確認されている。流行初期において小児の感染者は、全体の数%と少なかったものの、2022年にオミクロンが主流になってから増加し、重症例や死亡例が報告されるようになった。2023年3月現在、全体の約20%が20歳未満である。2023年5月8日からCOVID-19は感染症法に基づく感染症発生動向調査では、新型インフルエンザ等感染症(2類感染症相当)から、5類感染症定点把握疾患になり、サーベイランスの制度が大きく変更となる。感染者の全数を把握する方法からの方針転換であるが、感染者の特徴はオミクロン流行以降変わっていないことから、変異株モニタリングや重症例のモニタリングは今後も継続して必要である。
2021年2月17日から医療関係者への接種が始まった新型コロナワクチンは、2023年4月7日現在、3億8,335万1,816回の接種が実施された。国民全体の81.2%が1回以上の接種を受けたことになる。2021年6月1日から12歳以上の者に接種が可能となり、2022年2月21日から5〜11歳用、同年10月24日から生後6カ月〜4歳用のワクチン接種が開始された。2022年9月20日からオミクロン対応2価ワクチンが追加接種に導入されている。ワクチン接種の必要性については、医療関係者のみならず、一般国民がリスクとベネフィットを理解しながら情報を正しく知ることが重要である。
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