特集 UP DATE 新型タバコ—COVID-19も絡むタバコ問題の今
Editorial—今月の特集について
田淵 貴大
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1大阪国際がんセンターがん対策センター疫学統計部
pp.97
発行日 2022年2月15日
Published Date 2022/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209782
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日本のタバコ問題にまつわる状況は、加熱式タバコや電子タバコといった新型タバコの流行や、東京オリンピック・パラリンピック開催に関連した受動喫煙防止対策強化のほか、2018年から5年連続タバコが値上げされるなど、刻一刻と変化しています。特に、新型タバコにおいて、日本では電子タバコ用ニコチン入りリキッドが薬機法で販売が禁止されているため、電子タバコはあまり使われていない一方で、タバコ葉を用いた加熱式タバコが流行しています。最新の研究結果では成人の実に10人に1人以上が加熱式タバコを使っていることが分かっています。こうしたことにより、従来から実施されてきたタバコ対策全般に影響が及んでいます。
本誌では、2019年8月号に特集「新型たばこ —— 健康影響と規制のあり方」を取り上げ、それから約2年半が経過しました。まだ2年半しかたっていないと感じる読者もいるでしょう。しかし、この2年半の間にさまざまな新型タバコ製品が登場し、行政の側からは、改正健康増進法や受動喫煙防止条例など新型タバコ問題にも関連した法律が施行され、新型タバコ問題に関する数多くの研究成果が発表されるなどの出来事がありました。
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