2色ページ 症状の病態生理・7
睡眠と不眠
中野 昭一
1
1東海大学生理学
pp.1314-1317
発行日 1973年10月1日
Published Date 1973/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916785
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睡眠とは
睡眠とは,周期的にくり返される生理的な意識喪失に似た状態で,外観的には周囲の環境に反応しなくなり,感覚や反射機能も低下しているが,麻酔や昏睡とは異なり,いつでも覚醒できる状態であると定義されている.生体のリズムからいうと,ヒトの生理機能は覚醒と睡眠の2つの相に分けられるが,覚醒時はもちろん,睡眠時にも就眠,浅眠,熟眠などいくつかの段階があって,必ずしも質的に区分することはできない.
また,その機能の面からみると,私たちは睡眠によって覚醒時に消費されたエネルギーを補給し,さらに明日のエネルギーをたくわえ,子供では生長する働きまでしているわけで,睡眠がいかに重要であるかがわかる.一般にヒトが全く眠らないでいると,およそ5日間ぐらいで死の転帰をとるといわれている.
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