特集 ゲノム革命—予防・医療のイノベーション
扉
「公衆衛生」編集委員会
pp.213
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209359
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21世紀における医療の技術革新に最も大きな影響を与えている科学として,ゲノミクス(genomics)が注目されています.生物の全遺伝情報(ゲノム)の読み取り速度を飛躍的に向上させた次世代シーケンサーの登場と,その後の技術進展により,最近では,感染症の原因となる病原微生物のゲノム解析だけでなく,人間の全遺伝情報(ヒトゲノム)の解析も短時間に低コストで実施できるようになりました.
こうしたゲノミクスの進歩によって,ゲノム解析を活用した疾病予防や医療関連のサービスが増加しています.例えば,個人のDNAを調べることで,特定の病気へのかかりやすさや薬の副作用などを予測する遺伝子検査サービスです.また,遺伝子多型など体質に関わる情報の治療や予防の個別化(オーダーメイド医療)への活用など,研究から臨床応用への展開が急速に進められています.まさに「ゲノム革命」によって予防と医療は大きく変わろうとしているのです.
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