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あとがき/投稿申し込み書/著作財産権譲渡同意書
石原 美千代
pp.260
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208862
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本号の特集「地域保健法20年」は国立保健医療科学院の武村真治先生に企画をしていただきました.本特集は,この20年間,保健所等で働いてきた私にとって,とても意義深いものとなりました.
地域保健法が完全施行される前の1年間,私は東京都の保健所で仕事をしていました.都から市に母子保健,栄養改善などの事務が一括移譲されるに当たって,市と打ち合わせを行ったり,翌年度に統合される予定の保健所を訪ねたりしていたことを思い出しました.あの当時,「地域保健法が目指した保健所のあり方」も考えないまま,「住民に身近なサービスは基礎自治体で」と唱えながら,心の中では「本当に市町村に母子保健ができるのだろうか?」と考えていました.今となっては「身近な市町村の役割重視」には異論がありませんし,20年という歳月の長さを実感します.ただ,田上豊資先生が指摘されている「国民の健康課題が変容したとしても,保健所と市町村が,公衆衛生という共通の専門性を発揮して連携・協働することの基本は変わらない」ことを実践できているのか,と疑問に感じているのも事実です.
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