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あとがき/投稿申し込み書/著作財産権譲渡同意書
石原 美千代
pp.1030
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208803
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今回,地球温暖化対策をテーマに特集を企画したのは,温暖化に否定的な発言をしてきたトランプ氏が米国大統領に就任し,環境問題を含むさまざまな分野で波紋を起こしていたことがきっかけでした.この機会に,歴史的合意とも言われた「パリ協定」の背景や特質,これまでの地球温暖化対策について学び,今後に活かすべきではないかと考えたのです.
本年6月にトランプ大統領はパリ協定から離脱する方針を発表し,世界に衝撃が走りました.「温暖化はでっちあげ」という大統領就任前の主張が「まかり通ってしまうのか」と暗澹とした気持ちになったのを思い出します.しかし,本特集に寄せられた論文を読んで,勇気をいただきました.執筆者の先生方が,厳しい将来予測を踏まえつつ,決して諦めずに今後の対策を着実に進めることを提案されていたからです.米国のパリ協定離脱や大統領令によって地球温暖化対策が後退の一途をたどる訳ではないことや,パリ協定がすでに発効しており,それは各国の政策だけでなく,企業,また投資家にも大きなインパクトを及ぼしていることを理解できました.今後も米国の動向を注視していく必要がありますが,脱炭素化に向かう世界的な流れは,もはや逆戻りしないものと確信することができました.
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