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あとがき/投稿申し込み書/著作財産権譲渡同意書
石原 美千代
pp.456
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208456
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難病患者を取り巻く環境の変遷を振り返ると,あらためて,患者・家族からの発信の重要性に気づかされます.2011年12月1日に開催された厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会の「中間的な整理」は,当事者が参加したからこそ実現したものと思われます.
その中の「難病に対する基本的な認識」では,「希少・難治性疾患は遺伝子レベルの変異が一因であるものが少なくなく,人類の多様性の中で,一定の割合発生することが必然」「たまたま罹患した患者は重篤かつ慢性の症状に苦しみ,治療法が未確立のため,患者・家族の医療費負担は長期かつ極めて重い」「また,希少性故に,社会一般の理解が得られにくい」などの問題があり,「従来の弱者対策の概念を超え,希少・難治性疾患の患者・家族を我が国の社会が包含し,支援していくことが,これからの成熟した我が国の社会にとってふさわしい」としています.これは「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)の基本理念に引き継がれており,私たちは難病法制定に至った経緯を踏まえつつ,強く心に刻みつけなければならないと思います.
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