特集 衛生監視・指導行政の現状と課題
自治体における生活衛生監視指導体制の現状と課題
兵庫県の食品衛生監視指導体制の現状と課題
天野 和幸
1
1兵庫県健康福祉部健康局生活衛生課食の安全安心推進班
pp.656-662
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208721
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はじめに
2003年5月の食品衛生法(以下,法)の改正によって,従来の食品等事業者に対する政令規定監視回数が廃止され,法第22条に国が示した「食品衛生に関する監視指導の実施に関する指針」1)に基づいて,法第24条によって都道府県知事等は毎年度,翌年度の監視指導の実施に係る計画を定めることが規定された.
兵庫県(以下,本県)においては2004年4月から「兵庫県食品衛生監視指導計画」(以下,監視指導計画)2)を策定し,県内〔神戸市,姫路市,西宮市,尼崎市(以下,保健所設置市)を除く〕の食品営業施設等の監視指導を実施している.
また,本県では,2006年に制定した「食の安全安心と食育に関する条例」のもと,食の安全安心の確保を推進するため,「食の安全安心推進計画」(以下,推進計画)3)を策定し,生産から消費に至る各段階における食の安全安心に関する施策を総合的かつ計画的に取り組んでいる.推進計画においては指標と数値目標を定め,重点的・効率的な監視指導を行うことで,飲食に起因する健康被害の発生防止に向けた様々な取り組みを講じている.
本稿では,本県における監視指導計画と推進計画の概要,また,推進計画に基づく,これまでの食の安全安心に向けた取組について報告する.なお,監視指導計画には,と畜場法,食鳥処理の事業の規制および食鳥検査に関する法律(以下,食鳥検査法)に基づく検査も含まれるが,本稿では省略する.
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