特集 衛生監視・指導行政の現状と課題
自治体における生活衛生監視指導体制の現状と課題
政令指定都市・横浜市の生活衛生監視指導体制の現状と課題
泉 俊明
1
1横浜市健康福祉局健康安全部監視等担当部
pp.664-669
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208722
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はじめに
横浜市の人口は373万人を超え,政令指定都市の中で最も多く,2位の大阪市を100万人以上,上回っています.面積は約435km2で,人口密度は大阪市の12,000人/km2に次ぐ8,569人/km2となっています.
東京都,川崎市および神奈川県下の5市と境を接しており,東には一部で海水浴もできる東京湾の海浜部があり,中央部から西部にかけては農業地帯が広がっています.もともとは丘陵地帯が市域のほとんどを占めていましたが,海浜部の埋め立てによって平地を造成し,現在の横浜市の中心部である,中華街や伊勢佐木町などの関内地区や,横浜駅周辺のみなとみらい地区が,また,製造および流通産業が集中する鶴見地区や金沢地区の京浜工業地帯が形成されました.
1859年の開港以来,横浜は成長を続け,1889年に市制が敷かれ,1956年には,京都市,大阪市,名古屋市,神戸市とともに最初の政令指定都市となりました.
横浜には“ものの初め”が数多くあり,ビール,ガス灯,鉄道,パン,アイスクリーム,水道,理容所などが国内で初めて登場しています.ちなみに,1909年に制定された横浜市歌の作詞は森林太郎(鷗外)によるもので,歌詞では,寂しい港が開港によって急速に発展し,50年ほど経た今(1909年当時)では横浜に勝る港はないと詠っています.風情のある歌詞と,情緒ある旋律は,今でも多くのハマっ子(市民)に愛されています.
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