特集 がん対策の加速化
希少がん対策の課題と展望
東 尚弘
1
1国立がん研究センターがん対策情報センターがん臨床情報部
pp.242-246
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208630
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2012年6月に閣議決定された,第2期がん対策推進基本計画1)においては,第1期で中心に考えられてきた数の多いがん種だけではなく,「希少がん」に対しても対策を検討していくことが記載された.しかし,希少がんの定義についての記載はなく,肉腫,口腔がん,成人T細胞白血病,小児がんが例として挙げられているにとどまっている.また個別目標についても「検討の場を設置し検討する」ということが書かれているのみであった.その検討の場としては2015年3月から8月にかけて厚生労働省に「希少がん医療・支援のあり方に関する検討会」が設置され,これらの諸問題について議論された.そこで発行された報告書2)には,希少がんの定義や,今後の検討の場としての「希少がん対策ワーキンググループ」を国立がん研究センター事務局で設置することが定められ,がん種ごとの検討が引き続いて行われることになった.本稿においてはその概要について概観し,これまでに判明した課題と今後に向けた解決策を提示する.
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