Book Review
希少がん・難治がん診療ハンドブック
向原 徹
1
1国立がん研究センター東病院腫瘍内科 科長
pp.1285-1285
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_1285
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- 文献概要
本書の冒頭で紹介されているように,希少がんは年間10万人当たり6人未満の罹患率のがん種を指す.文字通り希少であるため,大規模臨床試験の実施が困難であり,標準治療が存在しないケースも多い.そのため,いわゆるガイドラインでlevel 1のエビデンスをもった推奨が示されないがん種も多く,日常臨床では往々にして診療方針の決定に苦慮する.限られたエビデンスのなかで,専門家,とくに多職種によるカンファレンスで「妥当」と考えられる治療方針が導き出されるべきであるが,施設間の方針の差もおのずと大きくなる.さらに,エビデンスが乏しいゆえに,希少がんに特化した出版物もまた希少であった.
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