連載 [講座]子どもを取り巻く環境と健康・24【最終回】
誰もが健康な人生のスタートを—世界で進む出生コーホート研究
岸 玲子
1,2
,
湊屋 街子
1
,
荒木 敦子
1
,
宮下 ちひろ
1
1北海道大学環境健康科学研究教育センター
2WHO Collaborating Centre for Environmental Health and Prevention of Chemical Hazards
2WHO Collaborating Centre for Environmental Health and Prevention of Chemical Hazards
pp.175-183
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208618
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環境化学物質のリスクコミュニケーションでは,日本国内で人々が実際どのような濃度に曝露されているかが重要である.それによって健康障害のリスクの大きさが異なるからである.アウトカムについては多様な影響をしっかり観察する必要がある.因果関係の議論は複雑な要因について一つ一つ糸を解きほぐすように慎重に進める.本連載では日本で初めての本格的な出生コーホート研究(北海道スタディと東北コホート)の科学的な成果を中心に示してきたが,本稿では世界的な研究の現状を伝えるとともに今後の課題を紹介する.誰もが健康な人生のスタートを切ることができるように,環境と子どもの健康問題の重要性を理解していただけるよう願っている.
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