連載 Focus On
「人生会議」を誰と行うか
木村 琢磨
1,2
1埼玉医科大学総合診療内科
2HAPPINESS館クリニック
キーワード:
アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning)
,
意思決定支援
Keyword:
アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning)
,
意思決定支援
pp.1355-1361
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_1355
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患者や高齢者への意思決定支援の方法論としてアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の有用性がいわれ,その愛称は「人生会議」と決定した.「人生会議」にはさまざまな構成要素があるが,患者が関係者と患者本人の価値について語り合う過程が重要な「人生会議」では,「誰と行うか」が一つの鍵である.
「人生会議」では意思決定能力を踏まえ患者本人の自己決定を重視する必要があるが,家族や医師に委ねたいという「他者依存」の気持ちも考慮する.家族の「人生会議」への参加は標準的であるが,患者本人と家族の考えの乖離,患者が本音を言うための環境,家族の心理的負担に配慮したい.近年,身寄りのない患者がまれではない時代となっており,患者本人による「信頼できる人」の指定も「人生会議」のテーマに含まれる.
医師は「人生会議」において,他職種やACPファシリテーター(ACPF)を含めた医療・ケアチームと協調し,患者・家族や代理意思決定者へ意思決定支援を行う必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2019