特集 日本の周産期事情update―出生コホート研究からわかったこと―Ⅱ
各論
15.2001年開始の前向き出生コホート研究(北海道スタディ)からの知見
-―環境化学物質による出生体格と臍帯血ホルモン濃度への影響―
湊屋 街子
1
,
岸 玲子
2
M. Minatoya
1
,
R. Kishi
2
1北海道大学大学院保健科学研究院
2同 環境健康科学研究教育センター
pp.145-151
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001180
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環境と子どもの健康に関する北海道スタディは,2000年代初めに開始した前向き出生コホート研究である。北海道全域を対象とした大規模コホート(20,900組あまりの母子ペア),札幌市の1産院(514組の母子ペア)を対象とした2つの集団で,妊娠期の環境要因と先天異常,出生時,および生後の子どもの成長,発達,アレルギー,ADHDなど発達障害を追跡調査している。北海道スタディは,特に低濃度の環境中の化学物質曝露による,次世代の健康への影響を詳細に観察している,世界でも早い時期に開始した地域に基づいた出生コホート研究で,すでに開始から15年あまり継続し,臍帯血中濃度などの微量分析によるリスク評価を実施している。本稿では,妊婦,出生時アウトカムに焦点をあて,最新の知見を解説する。
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