連載 リレー連載・列島ランナー・90
若者よ,公衆衛生を目指せ!!
武智 浩之
1,2
1群馬県安中保健所
2群馬県吾妻保健所
pp.697-700
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208513
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公衆衛生医師の不足に気付いたきっかけ
全国保健所長会の宇田英典会長にお誘いいただき,2013(平成25)年度より地域保健総合推進事業・全国保健所長会協力事業「公衆衛生に係る人材の確保・育成に関する調査および実践活動」に事業協力者として参加する機会に恵まれました.事業に参加する中で,様々な立場の公衆衛生医師,医学生,公衆衛生医師に興味のある臨床医・研修医と交流してきました.現在もその交流は,広く深く進化しています.
公衆衛生医師の不足をはっきりと知ったのは,三重県の島田晃秀先生と一緒に担当した,本事業のWebサイト調査1)がきっかけです.この調査で,県型保健所を持つ都道府県の約75%が,ホームページで公衆衛生医師を募集しており,あらかたの自治体で公衆衛生医師が不足していることがわかったのです.みなさんはどう思われますか? 公衆衛生の世界で長く経験を積まれている方には当たり前のことなのかもしれません.しかし2010年度に臨床医(泌尿器科)から転向してまだ日の浅かった自分は,ただ驚くばかりでした.こんなにも多くの自治体で募集しているのに,臨床医にはその情報がまったく届いていないからです.公衆衛生医師の不足は「古くて新しい問題である」と,日本公衆衛生協会の篠崎英夫理事長からもお聞きして,最近に限ったことではないことに驚くと同時に,公衆衛生への意識の高い先生方がずっと悩んでこられた問題であることを知りました.
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