特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第8章 中毒
カフェイン中毒
松本 俊彦
1
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部
pp.870-872
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_870
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1.薬理学的特徴
カフェイン(1,3,7-trimethylxanthine)は,最も社会的に許容されている中枢神経興奮薬である.カフェインを摂取すると,意欲や注意力,集中力が増し,眠気や疲労感が緩和される.こうした薬理作用は,カフェインが神経系のアデノシン受容体に拮抗的に作用することによって引き起こされる.カフェインの効果発現はかなり明瞭なものであり,たとえ30mg以下の少量であっても,気分と行動に影響を与える.
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