特集 地域包括ケアの進化
日本版CCRCは地域包括ケアの発展型となりうるか
辻 一郎
1
1東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野
pp.567-571
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208484
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CCRCとは何か
内閣官房「まち・ひと・しごと創生本部」は,2015年2月に「日本版CCRC構想有識者会議(座長:増田寛也・東京大学客員教授)」を発足させ,10回の協議を経て,同年12月11日に「生涯活躍のまち」構想(最終報告)と「『生涯活躍のまち』構想に関する手引き(第2版)」1)をまとめた.筆者は同会議の委員を務めていたので,構想の概要を紹介するとともに,地域包括ケアとの関連性について議論したい.
CCRCの正式名称は“Continuing Care Retirement Community”である.この言葉は,2つの意味で構成される.“Continuing Care”とは,自立・虚弱・要介護(認知症)・終末期といったさまざまな健康・機能レベルに応じて,医療・ケアなどを切れ目なく提供していくことを意味する.“Retirement Community”とは,高齢者の健康長寿を目指して社会参加や生きがいづくりを支援するコミュニティを意味する.
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