連載 [講座]子どもを取り巻く環境と健康・16
児の精神神経発達と環境化学物質(3)
ADHD(注意欠如・多動性障害)とASD(自閉スペクトラム症)
池野 多美子
1
,
小林 澄貴
1
,
山崎 圭子
1
,
西原 進吉
1
,
岸 玲子
1
1北海道大学環境健康科学研究教育センター
pp.445-450
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208452
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発達障害の原因は,養育環境や環境化学物質などが複雑に関連していると考えられている.本稿では,発達障害の中でも代表的なADHD(注意欠如・多動性障害),ASD(自閉スペクトラム症)と環境化学物質との関係について出生コーホート研究を中心にこれまで実施された調査について概観した.難燃剤や殺虫剤など,最近,身の回りで使用されている化学物質の影響が示唆された研究が海外で発表されており,国内でのリスク評価が求められる.今後の課題として,ADHDやASDのアウトカム評価を一時期のみではなく長期間フォローして胎児期曝露の影響が認められる時期を明らかにすること,化学物質については複合曝露による影響を評価することも検討が必要である.
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