特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門
【各論Ⅰ】発達障害を理解する—Caseに学ぶ典型例と対処法
❷注意欠如多動症(ADHD)
岡 牧郎
1
1国立成育医療研究センターこころの診療部 児童・思春期 メンタルヘルス診療科
キーワード:
注意欠如多動症
,
ADHD
,
不注意
,
多動−衝動性
,
心理・社会的治療
,
薬物治療
,
二次障害
Keyword:
注意欠如多動症
,
ADHD
,
不注意
,
多動−衝動性
,
心理・社会的治療
,
薬物治療
,
二次障害
pp.1046-1050
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204441
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Case
落ち着きがなく、授業中に立ち歩く小学1年生の一例
患者:7歳5カ月、男児
家族歴:4歳の弟も同様に落ち着きがない。
現病歴:周生期に問題はなく、運動発達や言語発達に遅れはない。幼児期早期から落ち着きがなく、外出先では迷子になることがあった。就学後は、授業中に集中が続かず、姿勢を崩してよそ見をしていることが多かった。しばしば離席がみられ、衝動的な行動や対人トラブルが多かったため、学校から医療機関の受診を勧められた。知能検査では、知的発達の遅れは認められなかった。注意欠如多動症(attention-deficit/hyperactivity disorder:ADHD)と診断後、環境調整をはじめとした心理・社会的治療が開始された。今後、改善が乏しい場合には、薬物治療が検討されている。
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