特集 死因究明制度の現状と将来展望
日本の法医学教育および死因究明制度の歴史
岩瀬 博太郎
1,2,3
,
石原 憲治
4,5
1千葉大学附属法医学教育研究センター
2千葉大学法医学教室
3東京大学大学院医学系研究科法医学分野
4京都府立医科大学法医学教室
5千葉大学大学院医学研究院法医学教室
pp.299-303
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208175
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わが国の死因究明の歴史を振り返ると,2本の大きな流れがある.一つは,すでに江戸時代に明確に行われていた中国伝来の「検使」であり,他方は蘭学として移入され明治時代に本格化した西洋由来の法医学である.わが国の死因究明は,従来型の検使から大学の法医学教室等における法医学への移行と位置づけられ,法医学の拡大・発展の歴史でもあるものの,いまだに,主流は警察が行う検視主体の死因究明であり,そのなかでは検使の伝統もいまだに残っていると言わざるを得ない.以下,順を追って考察したい.
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