特集 危険ドラッグ対策
危険ドラッグも視野に入れた薬物乱用防止教育のあり方
鬼頭 英明
1
1兵庫教育大学大学院 学校心理・発達健康教育コース
pp.250-254
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208158
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わが国で青少年の薬物乱用が問題となった背景には,覚せい剤乱用による検挙者数が1995年頃から増加に転じたことに端を発する.1996年,高校生による覚せい剤事犯検挙者数は220人に,1997年には中学生による覚せい剤事犯検挙者数が43人に至り,薬物乱用の低年齢化はまったなしの深刻な様相を呈するに至った.
1997年に保健体育審議会でこの問題が指摘1)され,以後,学校教育では薬物乱用防止教育の充実が図られるようになった.政府は拡がる薬物乱用に対応するため,1998年に薬物乱用防止五か年戦略を策定2)し,目標を設定して様々な対策を進めてきた.五か年戦略は5年ごとに内容の見直しが行われ,2013年からは第四次薬物乱用防止五か年戦略(以下,第四次戦略と略す)がスタートしている3).こうした中,2014年から特に目立つようになったのが危険ドラッグ乱用の拡大であり,防止のための対応が急がれている.
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