特集 中毒
Part 3 中毒の集中治療
5.乱用薬物中毒—危険ドラッグを中心に
小林 憲太郎
1
Kentaro KOBAYASHI
1
1国立国際医療研究センター病院 救命救急センター 救急科
pp.701-707
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200430
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本稿では,危険ドラッグを中心とした乱用薬物中毒について,その経緯,流通の背景,成分と作用を述べたうえで,診断と集中治療について解説する。
Summary
●危険ドラッグとは,法規制を逃れるために既存の薬物の化学構造に手を加えて新しい化学物質として合成されたデザイナードラッグであり,国際的には新精神活性物質(NPS)という名称が用いられている。
●警察への通報は義務ではないが,医療従事者の安全面からは考慮すべきである。
●30〜40歳代の男性で,意識障害や交感神経刺激症状がみられたら,乱用薬物中毒を疑う。
●「原因不明の○○」は,乱用薬物中毒を疑うキーワードである。
●乱用薬物中毒の確定診断は難しく,臨床診断が基本となる。
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