特集 危険ドラッグ対策
世界各国の動向を踏まえた日本の危険ドラッグ対策
小森 榮
1
1小森法律事務所
pp.245-249
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208157
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世界規模の危険ドラッグ問題
1.際限のないイタチごっこ
厳しい規制下に置かれる古典的な薬物に代わって,法規制の及ばない新たな合成薬物の台頭が,いま世界を悩ませている.
こうした薬物は1970年代末から出回り始めたが,今日的な意味での危険ドラッグが本格的に広まったのは1990年代以降である.その原動力となったといわれるのは,米国の薬理学者シュルギンが著した「PiHKAL1)」「TiHKAL2)」の2冊で,膨大なフェネチルアミン系とトリプタミン系の精神作用物質がまとめられている.これに触発されて,メチロン,2C-I,AMT,5-MeO-DIPTなど新たな薬物が「合法」と称して次々に登場し,世界的な危険ドラッグの第一波となったのである.
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