特集 ヘルシー・シティ,ヘルシー・コミュニティ
【各論】
アディクション―薬物乱用・依存
嶋根 卓也
1
1国立精神・神経センター 精神保健研究所 薬物依存研究部心理社会研究室
キーワード:
薬物乱用
,
薬物依存
,
医薬品の適正使用
,
精神保健福祉センター
,
自助グループ
Keyword:
薬物乱用
,
薬物依存
,
医薬品の適正使用
,
精神保健福祉センター
,
自助グループ
pp.356-359
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101913
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近年,芸能人や大学生による覚せい剤や大麻の薬物事件が続いており,薬物依存に対する社会的な関心は高まりつつあるようだ.こうした報道の影響もあり,薬物依存といえば麻薬・覚せい剤などの違法薬物を思い浮かべる方が多いだろう.地域のプライマリ・ケア医が日常診療で違法薬物に関する相談を受けるケースはあまり考えにくいが,実際の依存対象は,麻薬・覚せい剤など法で規制されている薬物だけではない.たとえば全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査によれば,睡眠薬・抗不安薬・鎮痛薬・鎮咳薬を主な依存薬物とする,いわゆる「医薬品依存症例」は全体の約1/4を占めている1).またニコチンもアルコールも依存性物質であり,喫煙・飲酒に対する健康指導に携わる医師は少なくないだろう.したがって薬物依存とプライマリ・ケア医との距離は,想像以上に近いのかもしれない.
本稿では,薬物依存の病態,およびその予防・治療・リハビリテーションの概要に触れたうえで,地域の医師として関われるような活動を考察したい.
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