映画の時間
─恋をするのに遅すぎることなんてない人生を楽しむのは自分次第─トレヴィの泉で二度目の恋を
桜山 豊夫
pp.213
発行日 2015年3月15日
Published Date 2015/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208146
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シャーリー・マクレーンの出ている映画には,はずれがないと言われます.ご本人が出演する映画を厳選しているのか.あるいは,シャーリー・マクレーンの演技によって,映画の品格が上がるのか.私は後者の理由によるのではないかと思っています.そんな彼女の映画デビュー60周年を記念する映画をご紹介しましょう.
高齢のフレッド(クリストファー・プラマー)は,妻に先立たれ独り身に.必ずしも愛情を注いでいたわけでもなかったようですが,長年連れ添った伴侶を失った喪失感で,生きる気力も湧きません.持病も抱え,「男やもめに蛆がわく」ではありませんが,郊外の広い家での生活も不自由になり,娘の勧めもあってダウンタウンのアパートに引っ越します.少し偏屈になっているのでしょう,一人で気ままに暮らしたいと考えているフレッドです.しかしアパートの同じ階に住む一人暮らしの高齢者エルサ(シャーリー・マクレーン)は陽気でおしゃべり.引きこもりになりそうなフレッドを,あの手この手で外に誘います.
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