予防と臨床のはざまで
産業保健の授業と保健師の選択制
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.212
発行日 2015年3月15日
Published Date 2015/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208145
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看護学部での産業保健の講義の季節となりました.2000年から順天堂大学医療看護学部(当時はまだ短期大学の専攻科)で地域看護学(産業保健)の授業を,前任の武藤孝司先生から引き継いてもう15年,現在は都内近郊の4つの大学で合計600人の授業を担当しています.新卒で産業保健に進む学生はごくわずかですが,臨床を経験してから産業看護職になる卒業生もいます.仮に5%の卒業生が進路として選択すると,600人×0.05=年間30人,10年で300人の集団になります.関連学会やセミナー,事務局を務めるさんぽ会や臨床疫学ゼミでも「以前,授業を受けました」と言ってくれる元卒業生がいたりして,とても嬉しく感じます.
そんな中,保健師教育のカリキュラムの改変が話題になっています.今までとの大きな違いは,各大学で保健師が選択制となりつつあることです.以前は,看護系の3つの資格(看護師,保健師,助産師)のうち,看護師と保健師に関しては,ほとんどの学生が通常のカリキュラムをこなすことで,国家試験の受験資格を得ることができました.しかし現在は,多くの大学で,保健師の資格取得は選択制になりつつあります.
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