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あとがき
成田 友代
pp.144
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208129
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保健所では公衆衛生業務に加え,議会対応など雑多な日々ですが,保健医療職として政策に携わる立場にあり,「Health in all policies(すべての施策に健康の視点を)」を常に念頭に置くよう心がけています.安倍内閣により「女性の活躍」が打ち出され,これから女性の就労促進,キャリアアップ,仕事と子育ての両立など女性を取り巻く環境が変化していく中で,真に女性が輝くためには健康が不可欠であることを,まずは,女性自らがしっかりと自覚し行動できる力を身に付ける必要性を強く感じました.そのためには周囲の理解や環境改善も必要ですし,今こそ,地域保健,産業保健,子育て支援・生活福祉等福祉分野などが連携して,女性の健康を守る支援策を並行して打ち出す好機と考えた次第です.
本特集の企画にあたり,編集会議において,男性より平均寿命が高い女性に対する健康支援の意義について議論いたしました.本号で各専門家の方々からご紹介いただいたように,女性ホルモンの変動と自身の健康,生まれてくる次世代の健康,さらには,内分泌の変動とライフステージの様々な選択を迫られる時期が重なりストレスの要因となること,ジェンダーが与える健康への影響といった視点が重要と考えます.小宮ひろみ先生にご解説いただいた「性差を意識したきめ細やかな医療」すなわち「性差医療」を公衆衛生に置き換え,題して「性差を意識したきめ細やかな健康支援」を実践するため,次号「男性の健康を考える」に続きます.
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