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あとがき
成田 友代
pp.728
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401103125
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近年の認知症高齢者の急増を受け,新聞やテレビ等でも,認知症に関する記事やニュースが日々報道されています.今回,あらためて認知症に関する最近の知見等を系統的に学ぶ機会になればと考え,各執筆者に報道等で取り上げられていた話題を中心に網羅的にご解説いただきました.
朝田隆氏からは,日本中の注目を集めた,驚くべき認知症の推計有病率(15%,軽度認知障害の13%と合わせると28%)とその推定方法,さらには,生活習慣病の延長上に認知機能低下がその先に認知症があるということをご説明いただきました.認知症といえば介護予防という視点で捉えがちですが,正しい知識の普及啓発等,生活習慣病予防の一環としても取り組むべき喫緊の課題であると言えるでしょう.大熊由紀子氏,上野秀樹氏には,住み慣れた地域で認知症の人の生活を支援することの重要性について,現在の精神科医療におけるケアからの転換の視点を交え,それぞれご執筆いただきました.お二人のお話は,筒井孝子氏や大島千帆氏からご解説いただいた「地域包括システムの中での認知症ケア」につながり,まさにその先に,髙橋裕子氏,髙島久美子氏からご紹介いただいたような自治体の先駆的な取組への発展があるのではないかと思います.今回,認知症の人への支援のあり方,地域での導入の考え方から実践へと,一連の流れとして,ご理解いただけたのではないかと期待しております.地域における認知症ケア検討に当たっては,島田裕之氏,遠藤英俊氏からの認知症の予防や診断・治療等の最近の知見も踏まえ,本特集を全面的にご活用いただければ幸いです.
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