特集 救急医療システム
諸外国の救急医療システム
石田 詔治
1
Tsuguharu ISHIDA
1
1兵庫医科大学救急部
pp.780-787
発行日 1987年11月15日
Published Date 1987/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207574
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■はじめに
救急医療システムの整備でprehospital careが重要視されている.たとえば,院外で心停止が発生した場合,良く整備されたシステムを有する地域では,蘇生に成功し患者を社会復帰させられる確率は25%1)である.ところが,十分なprehospital careが行われなかった場合は5%1)に低下することがわかっている.この事実より,諸外国ではprehospital careに重点をおいて救急医療システムの整備が進められてきた.本稿では,現在,最も良く整備されたシステムを持つアメリカ合衆国,ソビエト社会主義共和国連邦を中心に,独自のユニークなシステムを持つヨーロッパ諸国などを加え,prehospital careを主体として諸外国の救急医療システムを紹介する.国としてのデータが入手できなかった場合は,代表的な郡,都市のものを紹介する.
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