特集 悪性新生物の疫学
日本人の悪性新生物の将来像
富永 祐民
1
Suketami TOMINAGA
1
1愛知県がんセンター研究所疫学部
pp.534-538
発行日 1981年7月15日
Published Date 1981/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206344
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■はじめに
今から約30年前の昭和25年当時,わが国のがんによる死亡老は全国で約65,000人であり,全死亡原因の6%弱を占めるにすぎなかったが,その後それは年々増加し,昭和55年には約160,000人に達し,全死亡原因の22.4%を占めるに至った.死亡原因の1位である脳卒中死亡が昭和45〜48年頃をピークとしてその後減少し,昭和55年にはがん死亡との差はわずか600人ほどになった1).がん死亡数は現在なお増加しているので,近い将来(おそらく昭和56年中に),がん死亡が死亡原因のトップになることは確実である.
わが国のがん死亡の内訳をみると,1979年のがん死亡のうち,がん全体の3%以上を占める主な部位のがんとその割合は表1のとおりである1).
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