特集 老人問題と公衆衛生
老人の食生活
小池 五郎
1
Goro KOIKE
1
1女子栄養大学
pp.593-597
発行日 1986年9月15日
Published Date 1986/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207327
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■教育レベルが高い?
「老人の食生活」について語るにあたって,まず「現在の日本の老人(高齢者)」が平均的に持ち合わせている特異な属性について考えてみよう.
二十世紀も終わりに近づいた現在,地球上には約170力国もの国々がそれぞれの地域を確保し,そこにはそれぞれ異なった風俗と習慣をもつ人々が生活を営んでいる.それらの中で,「日本はキラキラ輝いている国である」といった人がいる.それは,現在の日本人の平均的な生活レベルが高いことをいっているようである.「90%が中流意識をもつ」という実態がその裏付けとなっているのであろうが,その日本に半世紀以上も住み続けて,生活レベルの激しい変動を経験してきた現在の高齢者の目からみれば,おそらくほとんど当たり前とも思える次のような諸現象が,キラキラと輝く原因になっているとされる(表1).
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