調査報告
ひとり暮らし老人の食生活と今後の取り組み—食事のアンケート調査から
村上 容子
1
,
森島 澄枝
2
Yōko MURAKAMI
1
,
Sumie MORISIMA
2
1広島県東広島保健所管内在宅栄養士会
2広島県東広島保健所
pp.347-349
発行日 1987年5月15日
Published Date 1987/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207474
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●はじめに
人口の高齢化とともに,これまであまり研究されていない高齢者の食生活行動及び栄養状態の把握,さらに栄養必要量の検討等が重要になってきている.とりわけ核家族化の進行によりひとり暮らし老人は年々増加しており,広島県が毎年実施している「老人基本実態調査」の昭和60年の調査結果をみても,県総人口に占める65歳以上人口の割合が10.9%,さらにこれら在宅老人の10.8%つまり10人に1人はひとり暮らしであり,前年比0.3ポイント増加している.本格的な高齢化社会の到来とともに,こうした「ひとり暮らし老人」への対応策の確立は,行政のみならず地域社会にとって今後避けて通れない課題の一つである.そこで当東広島保健所管内在宅栄養士会(昭和60年5月16日設立)では,こうした将来の事態への考察に資するため「在宅ひとり暮らし老人の食生活実態」について調査を行い,老人の健康管理における食事づくりの役割と,食生活の自立への支援活動の端緒とした.
調査対象は,当所管内6市町のうち地域特性の違いと生活状況との関連をみるため,市街地域と農村地域の2地区を選定し,当該地区に居住する65歳以上の「在宅ひとり暮らし老人」189人を対象とし,地区の民生委員を通じて各対象者宅に調査票を事前に配布留め置きした.
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