調査報告
河川水からの腸管系ウイルスの分離
谷 直人
1
,
井上 凡己
1
,
吉田 哲
1
,
足立 修
1
,
中野 守
1
,
島本 剛
1
,
西井 保司
1
,
板野 龍光
1
Naoto TANI
1
,
Tsuneki INOUE
1
,
Satoshi YOSHIDA
1
,
Osamu ADACHI
1
,
Mamoru NAKANO
1
,
Ko SHIMAMOTO
1
,
Yasuji NISHIII
1
,
Tatsumitsu ITANO
1
1奈良県衛生研究所
pp.345-348
発行日 1986年5月15日
Published Date 1986/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207265
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●はじめに
水中から分離される腸管糸ウイルスとしてエンテロウイルス,アデノウイルス,レオウイルス等が挙げられる1,2).これらのウイルスは通常経口的に宿主に侵入し,咽頭や腸管で増殖し,便とともに体外に排泄され,水中に流れ込む.水中では増殖することなく,自然に不活化してゆくが,なかには環境中において感染性を保持したまま長時間生存し3),しかも,水を介して人へ感染することが報告されている4).このため感染症の対策上,水中のウイルス監視が重要となってくるが,本邦では水中ことに河川水中のウイルスに関する報告が少ない5〜7).そこで筆者らは河川水について腸管系ウイルスの分離を行い,若干の知見を得たのでその成績を報告する.
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