日本列島
河川汚泥中のコレラ菌問題—沖縄
伊波 茂雄
1
1沖縄県環境保健部
pp.198
発行日 1981年3月15日
Published Date 1981/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206268
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昭和55年5月,港湾区域の定期検査の一環として厚生省那覇検疫所が実施した河川の底泥の細菌検査によって,コレラ菌らしいものが発見された.2回目の検査でも同様であったので,同検体を国立予防衛生研究所に送付し同定した結果,5月29日「エルトールコレラ稲葉型」と確認された.コレラ菌が発見された川は沖縄県那覇市と隣の浦添市の境界となっている安謝川で,河口から100ないし900メートルまでの間の底泥中,深さ3〜30センチメートルのところで採取した泥からである.コレラ菌は合計10か所から検出され,そのうち2か所は満潮時に川水の逆流入する排水孔で採取したサンプル(綿球を24時間以上置いたもの)から陽性であった.なお,河川水および魚,かになどの生物についてはすべて陰性であった.
県は直ちにコレラ防疫対策本部を設置し,次の対策を講じた.
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