特集 ポリオの疫学(その2)
総説
腸管系ウイルスの生態学とポリオの流行について
甲野 礼作
1
1京都大学ウイルス研究所
pp.113-121
発行日 1962年3月15日
Published Date 1962/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202500
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1.まえがき
ポリウィルス1,2,3型(以下Pもしくは型に従いP1,P2, P3と略)エコーウイルス1〜28型(以下E1〜E28と略),コクサッキーウイルスA群1〜24型(以下CA 1〜CA 24と略)および同B群1〜6型(以下CB 1〜CB 6)などの合計60種以上のウイルスが,ヒトの腸管に感染増殖し,種々の性状が相似しているところから,腸管系ウイルス(Enterovirus)として一括されている。
これらのウイルスは腸管の細胞を感染増殖の場としていて,しばしばヒトの屎便から分離されるがゆえに,腸管系ウイルス・フロラ(Entericvlral flora)といった概念が構成せられる。
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