講座 臨床から公衆衛生へ—感染症シリーズ・11
細菌性赤痢
斎藤 誠
1,2
1昭和大学医学部
2東京都予防医学協会
pp.690-692
発行日 1985年10月15日
Published Date 1985/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207129
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■はじめに
赤痢は人口10万に対し1.0をわずかに上回る発生までに減少し,質的には軽症化し,下痢症に遭遇しても,赤痢を疑う識者は稀となった.しかし,赤痢は最近10年問に,菌型の多型化,ABPC,KM耐性の著実な増加,海外旅行に由来する発生も極めて多くなった.加えて赤痢情報の欠如,診断の遅れは,無視できぬ集団発生の件数,患者数となって表現されている.
このような現況に照らし,臨床疫学的な視点から,今日の赤痢の現状を紹介してみたい.
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