特集 栄養疫学
健康・疾病要因としての食生活のエコシステム
竹本 泰一郎
1
Taiichiro TAKEMOTO
1
1長崎大学医学部公衆衛生学教室
pp.102-107
発行日 1985年2月15日
Published Date 1985/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206995
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■はじめに
食物は生体の外部に存在し,生体に栄養をもたらすことから環境要因の一つであることはいうまでもない.しかし,食物の獲得は人間の最も基本的な活動であり,他の諸環境要因よりも人間からの働きかけが強い.今日でも,食物の獲得は基本的には自然に依存しているが,人類は自然をコントロールし,社会経済的条件と整合させることによって,食糧生産,流通,分配の拡大を図っている.従って,適切な栄養による健康と栄養欠陥による健康障害はともに,自然のシステムと人間のシステムの交絡の結果と考えることが出来よう.
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