特集 公衆衛生の研家・教育・実践
公衆衛生学に期待すること—地方自治体での実践と反省から
近 寅彦
1
Torahiko KON
1
1新潟県新発田市役所
pp.24-29
発行日 1984年1月15日
Published Date 1984/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206805
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■はじめに
新潟県の北の古い城下町新発田の市民はいま,厚生省からヘルスパイオニアタウン事業の指定をうけ大きな喜びにひたっている.健康で生きがいのある生活のできる福祉社会が市民の夢であり理想であるから…….またこれからの福祉社会を支えてくれるいまの子供たちの健全育成にも情熱を傾けて取り組んでいる.このため市民は市や県に熱心な要望を重ねて,老人福祉センター(昭54),総合健康開発センター(昭57),青少年健全育成センター(昭58),老人生きがい対策のためのシルバー会館(昭58)を建設した.多くのモデル事業に参加し,業績もそれなりに重ねてきた.たとえば,厚生省からの老人の生きがいと創造事業(昭54),老人保健総合対策開発事業(昭54),老人のための明るいまち推進事業(昭55),障害者福祉都市事業(昭56),労働省からはシルバー人材センター事業(昭56),文部省から豊かな心を育てるモデル都市指定事業(昭57)など国レベルのモデル事業に参加する機会に恵まれた.
これらのモデル事業は,総て国や県の指導によって着手したが,その実施に当っては市民が知恵を絞り,試行錯誤を重ね,医師会や大学から多くの指導,援助,協力を得た.
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