視点
公衆衛生のビジョン-地方自治体からの提言
阿部 弘樹
1
1福岡県津屋崎町
pp.754-755
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100484
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平成13年に39歳の筆者が町長に就任した津屋崎町は,福岡市と北九州市の中間に位置し,人口約1万4千人,高齢化率23.6%,農業・漁業を基盤産業とした町です.江戸時代は製塩業(塩田)や海運が盛んで,廻船宿場町として栄え,津屋崎千軒と呼ばれていました.町は,古墳時代から大陸との交易を行い,宗像神社の玄関口としての役割も兼ね備えていました.鎌倉時代には,源義経の妻,静御前が義経の子を産み,その生涯を終えた町でもあります.
市町村合併―重要だった住民投票
古くからの歴史のあるこの町にも,市町村合併の波が三位一体改革とともに押し寄せ,地方自治体の重要財源である地方交付税の削減に後押しされ,本町を飲み込んでしまいました.来年1月には隣町の人口約4万2千人の福間町と合併し,新市「福津市」が誕生します.合併の協議は,各町の代表者で構成する合併協議会で行われますが,そこには町民の意思が直接反映されないため,本町においては,新市の青写真である新市建設計画案ができたところで,住民の意思を問う住民投票を行いました.その結果,合併賛成が多数を占めたため合併協議に賛成し,本年5月に合併の調印を行ったところです.
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