特集 公衆栄養のストラテジー
公衆栄養の今昔
大礒 敏雄
Toshio OISO
pp.71-76
発行日 1983年2月15日
Published Date 1983/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206648
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栄養学の位置づけ
栄養に関する学問は,各系統の学問領域に広く股がっているので,国際栄養学会も,IUNS(International Union of Nutritional Scienccs)と称して栄養に関連のある学問の綜合体系としている.そしてICSU(International Council of Scientific Unions)傘下の一分科をなしている.専ら栄養に関する学問を研究する栄養研究所(Institute of Nutrition)と称する研究所はわが国では,大正9年(1920)に創設されたもので,世界でも早い方であるが,現在では,同一名称或いはこれに類似した名称の研究所はいろいろな国々に設立されている.北米合衆国では,医学・保健の研究所を一纒めにしたNIH(National Institute of Health)という壮大な研究所群があるが,この中には独立した栄養研究所というものは無い.だが,栄養学の研究は各研究所に夫々分散されて,そこの研究の一分野としての部門として成り立っているところを見れば,如何に栄養学というものが広く夫々の学問研究の中で重要に取り扱われているかが理解される.それだけ各方面に亘る基礎的学問ともいえる.
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