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公衆衞生今昔(4)
高野 六郞
pp.310-311
発行日 1947年1月25日
Published Date 1947/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200099
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結核豫防には政府としても社會としてむ可なりに力を入れたわけではあるが,實績なと云はれると格別目覺ましいこともなかつたやうである。先づ結核豫防法が出來,それを改正し,大いに療養施設の擴充と,感染防止とに努めたが,何分結核の如き疾患は社會の豫防醫學常識の水準線の高さと,社會生活環境の保健水準線の高さによつて左右されるのであるから,少々ばかり療養ベツドが増しても結核の蔓延は減退せなかつた。後には結核豫防施設の根本は,保健所の普及にあるといふことに標的を定めてその充實改善に努力することになつた。今以てその方向に進んで居る。
結核豫防費の調達に關して興味のある話は先づ放送協會から資金を頂戴した件である。
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