調査報告
施設職員の風疹予防接種の経験—免疫保有率と予防接種副反応について
夏目 和子
1
,
堀 月江
2
,
岡田 喜篤
1
Kazuko NATSUME
1
,
Tsukie HORI
2
,
Kitoku OKADA
1
1愛知県心身障害者コロニーこばと学園
2愛知県心身障害者コロニーこばと学園看護保育課
pp.485-489
発行日 1982年7月15日
Published Date 1982/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206554
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
おが国では風疹は従来軽症感染症として扱われてきた.風疹による先天異常児の発生に関しても,昭和40年前半の流行までは日本本土では,このような症例がほとんど見られなかったこともあって,その予防にはまだ積極的ではなかった.一方,世界的には,1960年代アメリカを中心とする風疹大流行により,多数の先天性風疹症候群が発生し,その予防対策が急がれることとなった.
昭和49年以後,わが国では新たな流行が始まり,その後の流行では,風疹が従来考えられていたより症状の重いものが多いこと,合併症の発生率も高いこと1,2,3,4),先天性風疹症候群も発見されたこと1,4,5),風疹流行が周期型より常在型に変化しつつあること6)などより,わが国でも風疹ワクチンが次々と開発され,昭和52年には風疹が予防接種法に組み入れられ,中学生女子を対象に予防接種が行われることになった.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.