特集 喫煙問題
喫煙の生理衛生学
浅野 牧茂
1
1国立公衆衛生院生理衛生学部
pp.765-775
発行日 1979年11月15日
Published Date 1979/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205959
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■はじめに
喫煙,とくにシガレット喫煙と関連した健康障害については,WHOを初めとして各国の専門家たちによる警告と,その裏付けとなっている調査研究の報告が最近に至っても相次いでおり,本年に入ってからでも,既に米国保健教育福祉省から1,100ページを超える公衆衛生総監報告書『喫煙と健康』が出版され,前後してWHOの喫煙制圧に関する専門委員会報告『喫煙流行の制圧』が発行されている(U. S. Department of Health, Education, and Welfare:Smoking and Health. A Report of the Surgeon General, Public Health Service, 1979;WHO:Controlling the Smoking Epidemic. Report of the WHO Expert Committee on Smoking Control, Technieal Report Series, No. 636, 1979).喫煙の生体影響としては,疾病の発生やそれによる死亡のように主に慢性の器質的変化を来たすものと,直ちに疾病と結びつくとは限らないが,主として急性の生体機能変化を示すものとに大別することができる.本篇では,この機能的側面に焦点を絞って,喫煙の生理衛生学的知見の幾つかを簡単に紹介したい.
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