特集 小さなコミュニティにおける公衆衛生活動—方法論を中心として
メッシュ法をめぐって
大久保 利晃
1
1自治医科大学衛生学
pp.82-87
発行日 1979年2月15日
Published Date 1979/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205772
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■メッシュ区分法の概要
メッシュ統計とは,地域メッシュを用いた地理区分により,諸統計の観察・解析を行うことである.地域メッシュは,地図上に正方形,またはこれに近い小区画をしたもので,地理学では古くからこの方法が用いられていたが,衛生統計の分野ではほとんど用いられることはなかった.わが国ではメッシュという呼び方が一般的となっているが,英語ではgridという表現を用いて,grid square,grid coordinate system,block gridなどという呼び方が多いという.
メッシュ法の利点としては,行政区域にとらわれることがないので,小地域区分が可能である,行政区分では必ずしも適切に区分されない大気汚染等との関係分析に便利である,行政区域の変更などの影響を受けない,任意の地域について,その地域内のメッシュを統合して,その地域のデータを作成できる,など多くをあげることができよう.また,統計技術上の点からは,各地域の形が等しいので相互比較が容易で,縦横の関係が規則的なので位置が簡単に決まり,電子計算機により大量のデータ処理,地図の作成が可能である,などの利点がある.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.