研究
血圧水準の経年推移と脳卒中の発症
植田 豊
1
,
田中 平三
1
,
伊達 ちぐさ
1
,
馬場 昭美
1
,
林 正幸
1
,
山下 英年
1
,
大和田 国夫
1
1大阪市立大学(医)公衆衛生学教室
pp.729-735
発行日 1978年11月15日
Published Date 1978/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205717
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はじめに
地域あるいは職域における多くの疫学的研究は,高血圧が脳卒中発症要因の中で,最も重要な危険因子であることを明らかにしている1)2).そこで,血圧の脳卒中発症に及ぼす影響を詳細に検討してみることにした.
従来の研究の多くは,研究開始時に測定された随時血圧,すなわち一時点において測定された血圧と,その後の一定観察期間内における脳卒中発生率との関係を検討したものである.筆者らの研究は,随時血圧がいかなる経年推移を示しながら脳卒中に至るかを研究するために,この観察期間内に測定された全血圧値と脳卒中との関係を追究しようとしたものである.すなわち,脳卒中の自然歴を,より詳細に観察するとともに,きめ細かい高血圧管理を実施するための基礎資料とすることを目的としている.
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