調査報告
鉛クリスタルガラス製食器の鉛溶出
植木 肇
1
,
植木 芳子
2
,
太田原 幸人
2
1熊本県衛生公害研究所
2熊本女子大学文家政学部衛生学研究室
pp.736-739
発行日 1978年11月15日
Published Date 1978/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205719
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
鉛の有害性は古くから知られ,労働作業環境中の鉛量,大気・水・食品・血液・臓器中の鉛量や人体への摂取量など多数の報告がみられる1)2).最近では,食器や容器からの鉛溶出量も報告されている3)〜5).しかし,鉛クリスタルガラス製食器などの鉛溶出についての報告は少ない.一般に鉛クリスタルガラスは数十%の多量の酸化鉛を含み6)〜8),日常使用する鉛クリスタルガラス食器類でも2〜5%程度9)を含むと言われている.
筆者らは,市販鉛クリスタルガラス製コップからの鉛溶出量をジチゾンベンゼン比色法で測定し,また溶出条件(溶出回数,溶出液温,溶出時間)による鉛溶出量の変化について検討したので,以下に報告する.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.