資料
簡易エネルギー消費量調査法の一試案(予報)
馬場 昭美
1
,
田中 平三
1
,
伊達 ちぐさ
1
,
植田 豊
1
,
林 正幸
1
,
山下 英年
1
,
庄司 博延
1
,
吉川 賢太郎
1
,
中村 善保
1
,
大和田 国夫
1
1大阪市立大学(医)公衆衛生学教室
pp.802-805
発行日 1978年12月15日
Published Date 1978/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205745
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I.緒言
筆者ら1)が農山村在住者を対象として,脳卒中のリスク・ファクターを検討したところ,高血圧が脳出血および脳梗塞の発生にきわめて大きな影響を及ぼしており,欧米諸国で強調されている高脂質血症や肥満は,現時点ではリスク・ファクターとならないことを報告した.同様の報告は,全国各地の調査2)3)からもなされており,このような疫学的事実は,脳卒中モデル(SHRSPラット)によって実験的にも証明されるに至った4).以上のような事実の背景には,栄養および労働状態が大きく関与しているであろうことは,容易に想像される.
筆者らは,脳卒中の発生と栄養および労働状態との関係をprospective studyにより追究せんがために,ある農村で栄養および労働状態に関する悉皆調査を試みた.ヒトの栄養および労働状態を評価するためには,食事調査(摂取量),身体計測,生化学的検査,臨床医学的所見に加えて,エネルギー消費量の測定が重要である.さらに,これらを総合的に評価してはじめて,ヒトの栄養および労働状態を的確に評価することができるものと考えられる.
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